「C-330 ロケットベース」追加報告


 1990年に発売されたマイクロTFの大型基地商品、「C-330 ロケットベース」
には、ロケット発射台モードで、搭乗用と思われる赤いエレベータが設置されて
いるが、どう見てもここからどうやってロケットに搭乗するのかが不明で、ほぼ飾
りだけの物だと思われていた。
 しかし、2000年11月に「ミクロマン レッドパワーズ」のラインナップとして発売
された、ロケットベースの仕様変更商品「ミクロロケットベース」には、この件に
関する回答が示唆されている。


ロケット発射台モード

大型宇宙基地モード


 上に掲載したのは、ロケットベースの通常のパーツ配置による各モードで、この状態では、エレベータから、ロケットのコクピットまでの間を、マイクロTFが移動する手段は無い。

 しかし、後に発売された、ミクロロケットベースの説明書では、基地モード時に司令室に配置されるプラットフォームを発射台モード時のガントリーに取りつける様に指示されている。TF版では、このパーツは発射台モードでは、純然たる余剰パーツとして扱われていた。

 実際に、ロケットベースにこのパーツを取りつけてみたのが下図で、エレベータからロケットのコクピットまで一直線に結ばれている事がわかる。この個所には、本来の説明書では、小レーザーを2門取りつけるように指示されているが、実際には、取りつけ穴のピッチが測った様にぴったりな事からも、当初から、このプラットフォームを取りつける為に設計されていたと思われる。

 ここで問題になるのは、何故、TF版ロケットベースでは、この部分に関する説明が無かったのか? という事だが、これに関しては、恐らく、基地モード時に支柱となる部分が干渉して、「マイクロTFを乗せた状態でエレベータを最上部まで移動させる事が出来ない」事から、敢えて説明していなかったのだろう。支柱が、マイクロTFの頭にぶつかるのだ。

 それでは、何故、こんな所に支柱があるのかと言うのも問題なのだが、試作品の段階では、これらの支柱は折り畳み式になっており、本来なら、マイクロTFの通行の妨げにはならない筈だった。この「折り畳み式試作品」は、海外版のカタログ等で確認でき、また、トランスフォーマー・ビクトリーのアニメ用設定画でも折り畳み式に描かれている。(ロケット固定用のロックアームに見立てられている。)

 この時期のトランスフォーマーは、コストダウンと商品強度確保の為に、こういった細かい部分でギミックが省略される事が多かったが、この場合は、支柱の折り畳みギミックが削除された事によって、発射台のコクピットからエレベータを通じてロケットに乗り込ませるという立体的なプレイバリューまで「無かった事」にされる形になり、基地遊び、ジオラマ遊びを本望とするマイクロTFシリーズにとっては、大きな損失だったと感ずる。発売から10年以上を経てはいるが、ようやく「本来の姿」が明かされた事は、ひとつの喜びだろう。
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「ミクロロケットベース」(ミクロマンレッドパワーズ)


エレベータ〜コクピットを繋ぐ。

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