ギャラクシーシャトル・ゾーンモード


 1989年に発売された、「C-326 ギャラクシーシャトル」は、その発売まで
の過程の紆余曲折により、数々の謎を持った商品となった。
 2001年6月に発売された、ムック本「トランスフォーマー・ジェネレーション」
P46には、企画段階で棄却されたという「ゾーンモード」が掲載された。これ
は、この商品に見られる謎の多くに回答を与える物である。



パーツ表

パーツ裏

 

 ギャラクシーシャトルに関しては、当サイト内のTF紳士録1989年リスト「C-326 ギャラクシーシャトル」の項を参照していただきたい。

 この項では、商品に見られるいくつかの不明な点を挙げた。それは、1)使途不明の両肩の5ミリ径ジョイント穴、2)同じく両足首の5ミリ径ジョイント穴、3)意味不明の個所に貼るコントロールパネル状のシール、4)貼付場所が不明のサイバトロンマークのシール、 以上の4点を疑問として挙げ、商品パッケージのキャラクター説明欄に見られる「サイバトロンの移動基地」という記述から、なんらかのオプションパーツを装備しての基地モードが存在するのではないかと推察した。

 「トランスフォーマー・ジェネレーション」によれば、やはり企画段階にオプションを装備した基地モード(ゾーンモード)が存在し、そのパーツ自体も、ギャラクシーシャトルとはまったく関係無く玩具店で頒布されたとされている。今回、そのパーツをお借りする機会があったので、ここで紹介しよう。(上図)

 このパーツは、1990年の夏頃以降に「マイクロTF発射台」として、店頭でマイクロTF購入者に無償配布されていたと思われるが、キャンペーンとしての告知等は無かった様だ。その為、知名度は極めて低く、またパーツ自体も特にトランスフォーマーと関係があるようには思えない形状の為に、当時店頭でもらっても何だか判らずに保存していない方も多いのではないか?

 全体は、3パーツで構成されており、内蔵のスプリングにより、マイクロTFを発射する事ができる。裏面と両横には、5ミリ径ジョイント軸があり、これでギャラクシーシャトルの使途不明ジョイント穴に接続する。また、表面には5角形のモールドがあり、余分のサイバトロンマークを貼る場所だったと推測できる。



ゾーンモード

正面


 
上図は、基本的に「トランスフォーマー・ジェネレーション」の図版を元にパーツを配置した物。ただし、コクピットは閉じた状態とし、銃も取りつけ角度を変えている。中央には、ギャラクシーシャトルの余剰サイバトロンマークを貼った。

 足首裏のジョイント穴は、パーツの両側のジョイント軸に対応する物で、両肩のジョイント穴は、銃を接続する為の物だった事が判る。また、このモードでは、意味不明だったコントロールパネルが丁度マイクロTFの目線の高さ辺りになり、基地である事をアピールしている。

 右図は、ロボットモードで、肩のジョイントにシールドとして装備させる事が可能。サイバトロンマークもこの状態で、天地が合う様になっている。
 シールド裏面に2本用意されたジョイント穴の内の片方を使用し、シャトルの翼に干渉しないように前方にずらした形でジョイントされる。ちなみに、シャトルモード時には、どこにも取り付ける場所は無く、純然たる余剰パーツとなる。



 パーツ追加により、ここまでのプレイバリューが用意されていたにも関わらず、恐らくは、最初の発売時にマイクロTFとは関係無い単体商品として世に出る事になった為に、基地モードのギミックは捨てて、単なるスペースシャトルロボとして登場したのは、この商品にとっては最大の悲劇だろう。パーツ単体でも頒布されていたのは、せめてもの救いだろうが、もし、関連商品である「C-330 ロケットベース」等にパーツを同梱するなり、パーツ頒布をキャンペーンとして告知し、カタログ等で遊び方を紹介していれば、もっと多くのファンが、この商品の持つ真の魅力を享受できたかと思う。

ロボットモード

正面

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