トランスフォーマー・キスぷれ

第47回放送 2007年2月27日



 今回のドラマは、「カーロボット」の時代が舞台。シャオシャオが担当で、今回はドラマ終盤に3人での掛け合いがある。

「おしえてTF情報局」では、この時期の玩具としてファイヤーコンボイ、デビルギガトロン、カーロボ3兄弟等が紹介された。また、カーロボットが海外へ輸出された事にも触れられ、海外仕様のファイヤーコンボイの音声も紹介されている。


●エピソード概要

 ザンゲツと共に、新たな時空を探索中のシャオシャオ。ここは、彼女にとって馴染み深いニューヨークの街だった。

 その街中に浮かぶ巨大な手の平に、シャオシャオは見覚えがあった。あれは、デストロンガーの大帝ギガトロンが変形した姿だ。ここは、ミレニアム祝典が開催された日のニューヨークだったのだ。そこに駆け付ける消防車は、未来から来たもう1人のコンボイ、サイバトロン次元パトロール隊司令官ファイヤーコンボイだ。シャオシャオは、過去の忌まわしい記憶を思い出す。彼らは、太古にサイバトロンが地球に残した遺跡であるブレイブマキシマスを巡り、無関係の人々を巻き込んで戦いを繰り広げたのだ。
 感傷に浸るシャオシャオだが、ザンゲツの催促で、ファイヤーコンボイにキス! 早々に帰還するつもりだったが…。 ファイヤーコンボイの胸から浮かび出したオールスパークのかけらは、またもやどこかへ飛び去ってしまう。誰が奪っていったのか、怒り心頭のシャオシャオは帰還するや、ブレイブマキシマスでの追跡を指示するが、すでにエネルギーのソリタリュウムが底を尽いていた。それでもなんとか追跡しようと、無理矢理スパークボット達の力でブレイブマキシマスを起動させるとワープ空間に突入した。激しい振動と共に物凄い勢いで過去に遡っていくブレイブマキシマス。だが、前方に見えない障害物が現われ行く手を遮る。
 ぶつかる!


■ミレニアム

 今回のエピソードは、2000年に放送された、トランスフォーマー・カーロボットの世界が登場している。ミレニアム祝典を襲うギガトロンは、アニメ第1話からの引用だ。カーロボットの舞台となった時代は「ミレニアムを迎える地球」とだけ語られており、つまり放送当時と同じ2000年の現代を指しているものと考えられる。
 カーロボットは、アニメでは他作品との連続性に関しては一切触れられておらず、独立した世界として作劇されているが、玩具封入カタログ掲載のストーリーでは、次元の裂け目を通って現代の地球に出現したデストロンのエリート部隊デストロンガーと、サイバトロン次元パトロール隊の戦いという設定が与えられ、デストロンガーがビーストウォーズ時代のデストロンエンブレムを持ったビースト型TFである事から合理的に解釈するなら、ビーストウォーズと近い時代のトランスフォーマー達が次元を超えて現代の地球に現われたと考える事ができる。

 今回のドラマでは、G1から連なる世界に属するはずのシャオシャオが、自らが実際に経験した事件として、カーロボット世界の出来事を語っている。一般的にはアニメ作品中の描写がG1初代シリーズと矛盾する事や、件の玩具封入カタログのストーリーで、多元宇宙的世界観を示唆されている事から、カーロボット世界は「G1世界とは別の次元の地球」と解釈される事が多い。ただし、G1とは別世界とも明言されてはいないので、今回のような同一世界という解釈も必ずしも間違いと言う訳では無いのだろう。シャオシャオは、幼い頃、ニューヨークに住んでいたと設定されており、同一世界で起こった出来事であるなら実際に遭遇していてもおかしくはない。

 また、ブレイブマキシマスのエネルギーとして言及された「ソリタリュウム」とは、2004年から展開された「ロボットマスターズ」シリーズに登場するエネルギー鉱物。ロボットマスターズではブレイブマキシマスと同型同色の「サイバトロンベース」がキャンペーン景品として少数配布されている。このサイバトロンベースは、ロボットマスターズ作品中ではストーリーに登場せず、ブレイブマキシマスとの関連性も全く説明されてはいないが、キスぷれでは、この2者を同一の存在として扱っているようだ。ちなみに、サイバトロンベースの説明書では、頭部ユニットや武器がブレイブマキシマスとは異なる名称で新たに記載されており、ブレイブマキシマスとは別個の存在として設定されたと思われる節がある。

 尚、カーロボットの舞台となった時代に関して、「21世紀の地球」としている資料も多いが、厳密には、21世紀は2001年から始まるのでアニメ本編の描写と矛盾する。これは当時、西暦2000年が21世紀の始まりだとする勘違いが一般にかなり広く流布していた事を考えれば、誤差の範囲内だろう。

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