トランスフォーマー・キスぷれ

第43回放送 2007年1月30日



 今回のドラマはメリッサの担当回。ドラマ冒頭では声優3名が登場しているのも、もう恒例。超神マスターフォースの時代でコンボイのそっくりさんに会う話。

 おしえてTF情報局では、この時期の玩具展開とスパークボットのパッケージサンプルに関するお話等。


●エピソード概要

 メリッサ達一行が訪れたのは、セイバートロン星爆発からさらに数年後のアメリカの砂漠。この時代になっても地球は昔のままの姿を保っている。

 そこで彼女達が見たものは、青い巨大ロボットに叩きのめされるコンボイだった。メリッサはアンジェラに頼んで、すぐさまコンボイの元へ向った。そして、かつての様にキスをしてコンボイを助けようとしたのだが…。キスでオールスパークのかけらは回収できたのだが、コンボイからは人間の男性が転げ落ちてきた。もしやコンボイが新しいキスプレイヤーを作ったのではないかと嫉妬に狂うメリッサだったが、アンジェラの言によると、このコンボイ似のロボットはスーパージンライという別人で、その事実にメリッサは落胆する。彼らは、人間がロボットのボディに合体するゴッドマスターと呼ばれる種類の戦士で、このボディは元々コンボイの為に作られたものだったのだ。

 なんだかんだでオールスパークのかけらだけは早々に回収できたが、メリッサは何故自分達のキスでこのかけらが浮かび上がるのか、そもそもオールスパークとはなんなのかをアンジェラに問い質そうとする。が、その時ふと気付いてしまった。自分はコンボイ以外の人とキスしてしまったのだ!質問もそっちのけで、この事を内緒にしておくようにと懇願するメリッサなのであった。


■未来世界の見慣れた風景

 今回の舞台となったのは、TFアニメ第4シリーズ「超神(ちょうじん)マスターフォース」の時代。砂漠の中でスーパージンライが青いロボット(オーバーロード)に打ちのめされる姿は、第24話「スーパージンライ砂漠に散る!?」のラストシーンからの引用だ。この戦いでオーバーロードに敗れたジンライは、建造中だった強化パーツとの合体でゴッドジンライへとパワーアップ復活する事になる。

 超神マスターフォースは設定年代が不詳なので、今回のドラマ中でも「セイバートロン星爆破から数年後」と、前作「ザ☆ヘッドマスターズ」よりも後の時代である事を示唆するに留めている。このシリーズは、アニメ作品としての世界観を一旦仕切り直しており、設定上では過去作品から繋がる世界の物語としながらも、作品中では過去作品との繋がりがほとんど明示されず、地球の文明レベルも放送当時と同じ80年代中頃をイメージさせる雰囲気で描かれていた。メリッサのセリフにある「こんなに未来でも私達の故郷は変わってないです。」とは、こういった作品の背景を端的に表したものと受け取れる。ちなみに、前作「ザ☆ヘッドマスターズ」までは地球上に多数が滞在し、都市まで築いていたトランスフォーマー達が今作では全くいない状態から物語がスタートしているが、これは「ザ☆ヘッドマスターズ」最終回で、デストロンの地球脱出(地球そのものを爆破しようとした為)と、それを受けたサイバトロンの地球からの撤収という形で設定のリセットが行なわれている。また、マスターフォース作中で再び地球に戦乱が起こった後も「宇宙からの援軍がほとんど来ない」という点には、宇宙での戦いが激化する一方で地球にまで戦力を回せないという設定が語られている。

■ジンライの謎

 今回のドラマ中では、ジンライがコンボイに似ているのは、「元々はコンボイの為に作られたボディ」だからと説明されているが、これは微妙に設定の解釈を取り違えていると思われる。
 ジンライがコンボイにそっくりなのは、玩具的には元々海外でコンボイ(オプティマスプライム)の新バージョンとして発売された玩具を国内導入時に別人として発売したからという理由だが、作品的には、アニメ作中ではコンボイとの類似性には一切触れられず、雑誌展開等でも「生まれ変わりかもしれない」「意思を受け継いだのかもしれない」といった曖昧な言葉で濁され、明確な設定や説明は無かった。これが初めて公式に説明されたのは、放送終了後しばらくして発売されたセルビデオソフト「超神マスターフォース大図鑑」に収録された新録コンテンツ(映像は再編集)「秀太・グランドのマスターフォース超ひみつ!」の中。ここでは、後にスーパージンライと呼ばれる事になるボディは、本来マスター星の勇者と合体してスーパーコンボイになる筈だったという説明がなされている。ヘッドマスターやゴッドマスターは、大型ボディとなるロボット側では無く、頭部やエンジン型に変形する小ロボットや人間側にパーソナリティがある為に、普通に解釈すれば「マスター星の勇者と合体してスーパーコンボイになる」という説明は、「全くの別人がコンボイ型のボディと合体して新コンボイの名を襲名する」という意味になると考えられる。実際、ザ☆ヘッドマスターズでは、クロームドーム達サイバトロン・ヘッドマスターズは、過去の英雄の姿を模って作られたボディと合体して名前を襲名したという設定があり、「スーパーコンボイ」の設定もこれを踏まえたものだろう。つまり、初代コンボイ本人の為の新たなボディとして作られた訳では無いと解釈するのが自然だ。
 尚、スーパージンライの玩具がコンボイでは無い別人として発売された理由は、関係者のインタビュー記事等によれば、当時はトランスフォーマーの主要ユーザー層が入れ替わりの時期に来ており、3年前のキャラクターとして発売するよりも新キャラクターとして発売する方が良いという判断が下されたからだという。また、アニメ製作の観点からもストーリー展開に重大な制約が加わる事になるコンボイ復活よりも新キャラである事が望まれたとも語られている。

■プリテンダー誕生

 今回の「おしえてTF情報局」では、マスターフォース関連の玩具である、スーパージンライとプリテンダーが紹介された。また、スパークボットのパッケージサンプルが完成した報告もあり。

 番組中、声優達が驚きと失笑の声をあげまくるプリテンダーとは、20センチ程度の人間型フィギュアを前後に割ると中からトランスフォーマーのロボットが出てくるという商品。アニメ中では、人間モードは普通の人間サイズだが、ロボットモードには8メートル程度の通常のトランスフォーマーサイズに巨大変身する。設定では、体内のアースギャザーという器官に蓄積したエネルギーにより、プリザーブシェルと呼ばれる生物の姿を模した外装を形作ると同時にサイズも変更されるとされている。

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