トランスフォーマー・キスぷれ
漫画版

第2回 2006年11月号(9月21日発売)


●ストーリー要約

 何処かで目覚めたシャオシャオは、自らがカプセルの中で拘束されている事に気付く。
 周囲には、同じようにカプセルの中に拘束されたEDC隊員の姿があり、それらカプセルの中では据え付けられたレギオンの頭が、EDC隊員達を貪り食っていたのだ…。

 当梨達EDCオートルーパー隊は、コンボイを成田からEDC東京本部へと移送する作戦の護衛に付いていた。その時、レジスタンスにより橋が爆破され、EDCの車列が分断される。コンボイを乗せたトレーラーを制圧するレジスタンスだが、そのコンボイは偽物で瞬く間に掃討されてしまう。
 遠方から作戦を監視していて難を逃れたメリッサは、もう一台のトレーラーに乗せられたコンボイのコンテナに目を付ける。コンテナに近付こうとするも背後からクレムジーク弾の直撃を受け全身が麻痺するメリッサ。だが、渾身の力を振り絞りナイフでコンテナを切り裂くと、裂け目からは本物のコンボイの姿が見えた
 メリッサを追い、コンボイに近付くオートルーパーだが、何が起ったのか突如としてキスプレイヤーを排出、そのままコンボイに取り付きコンボイとの融合を始めてしまう。半ばオートルーパーと一体になったコンボイにメリッサは、想いを込めたキスをする。すると、コンボイは新たな姿で蘇り、コンテナを突き破って飛び出した。

 一方、シャオシャオは、いまやレギオンに食われようとしていた。その時、屋根を突き破って一筋の流れ星が激突する。それは、赤いボディに燃える炎を纏ったトランスフォーマーだった。


■今回の主要キャラクター(ほぼ活躍順)

シャオシャオ 前回オートルーパー“子04”から分離し、意識不明となったシャオシャオだが、今回は冒頭から見知らぬカプセルの中で目を覚ます。どういった経緯で拘束されているのかは不明だが、周囲には同じようにカプセル内に拘束されたEDC隊員達の姿が。だが、その隊員達は既に…

レギオン カプセル内に頭部のみが据え付けられている。形状は、前回の自動車型レギオンと同型でメガトロン似。口から触手を伸ばし、シャオシャオを食らおうとする。

・当梨 今回は、ストーリーに直接関わる活躍は無し。

・りんご 子小隊のメンバー。レジスタンスが制圧したトレーラーに載せられていたコンボイは、りんごと融合したオートルーパーの偽装で、正体を現すや即座に反撃を開始し、レジスタンスを掃討する。

・メリッサ レジスタンスのメンバーとして作戦に参加していたが、今回は遠方からの監視が主な任務だったようだ。実行部隊壊滅後は、単身でコンボイのコンテナを乗せたトレーラーへ向う。

・カユ 初出キャラ。子小隊のメンバー。オートルーパーと融合し、メリッサに背後からクレムジーク弾を見舞う。コンテナに向うメリッサを追うが、コンボイに近付くと突如としてオートルーパーが暴走、強制排出されてしまう。オートルーパーは、そのままコンボイに取り付き融合を開始するが…。

・コンボイ EDCの移送作戦によりトレーラーに積み込まれたコンボイだが、1台目のトレーラーには囮が乗せられ、本物は2台目のトレーラーに搭載されたコンボイのコンテナの内部に隠されていた。
 暴走するオートルーパーに融合させられかけるが、メリッサのキスにより、キスぷれ版のダッジRAMの姿で復活を果たす。
 本物のコンボイは、G1玩具版のディテールを忠実にトレースした姿で描かれている。一方、囮として搭載されていた偽装コンボイはマスターピース版の姿に描き分けられている。

・ホットロディマス 正に、レギオンがシャオシャオを食らおうとする瞬間、突如として舞い降りた。コンボイ同様、G1玩具版ホットロディマスのディテールを忠実に再現した姿で描かれている。


■解説

 シャオシャオが何故、レギオンの頭部と共にカプセル内に拘束されていたのかは不明だが、他にも多数のEDC隊員が同様に拘束されレギオンに供されている姿は、組織的な陰謀を思わせるに十分なものだ。ラジオドラマ等でほのめかされた「EDCの陰謀」の謎に直接に結び付くものと考えられる。

 オートルーパーが、コンボイに接近した途端に暴走し、融合を開始したのも理由は明らかでは無いが、天桜司令官はこのオートルーパーの習性を知っていた様だ。オートルーパーは人類が製造した人造トランスフォーマーとされているが、この描写からはそれ以上の実態の存在を予見させる。
 コンボイと融合しかけていたオートルーパーが、メリッサのキスの後どうなったのかは描かれていないが、逆にコンボイがオートルーパーを取り込む形で新たな姿に変化した可能性も考えられる。

 今回、初めてクレムジーク弾が描写されたが、それはアニメに登場したクレムジークそのもの。メリッサは直撃を受けたが、人体への影響は全身が痺れる程度のもので、あくまで対トランスフォーマー兵器である事が伺える。

 メリッサは、コンボイのコンテナにナイフを投擲して切り裂いた。このナイフはその前のページでEDC隊員に対して使った普通のナイフとは別の大型な第2のナイフで、よくみると第2のナイフを使用するメリッサは肩のホルダーに最初の通常ナイフを納めたままに描かれている。ナイフでコンテナを切り裂くとはいささか誇張された描写だが、わざわざナイフを描き分けている事を考えると、第2のナイフは高周波ブレードのような動力付きの高機能モデルという設定なのかもしれない。それとも、コンテナが偽物でハリボテだったのか。

 玩具版コンボイxメリッサの解説書等では「ロディマスコンボイ」の誕生に触れられており、ラストに登場するホットロディマスは、本来ならロディマスコンボイとして登場するのが筋の筈だ。地球に降り立ったロディマスが何故「ホットロディマス」の姿だったのかは、ラジオドラマ第26回で語られている。

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