トランスフォーマー・キスぷれ

玩具製品・コンボイxメリッサに付属のドラマCDレビュー。


 コンボイxメリッサ付属のCDは、ラジオで放送されたドラマの採録パートと、新規に録音されたCD用ドラマパートに分れる。また、ラストにはメリッサの声優である、りりあんのメッセージも収録。

 ラジオドラマ採録パートは、放送第1回から第5回までの5本で、放送時の前説に当るパートや後半のフリートークは未収録で、本編ドラマのみの収録となっている。
 『いつか、太陽のもとで』と題された新録ドラマパートは、時間にして約10分の尺があり、ラジオドラマ版では基本的に声優1人のモノローグだったが、今回はメリッサ役のりりあんの他に、コンボイ役として初代コンボイを演じた玄田哲章氏が参加し、二人の掛け合いでドラマが進行した。玄田氏演じるコンボイの、TFファンにはお馴染みのセリフも登場するが、それは実際に聞いてみてのお楽しみ。


●『いつか、太陽のもとで』エピソード概要

 メリッサとコンボイは、夜の海岸に来ていた。
 E.D.C.に追われる身である彼らは、夜の闇に紛れてしか、サーフィンを楽しむ事はできないのである。

 コンボイを岸に残して、一人沖に出るメリッサ。だが、脚に何かが絡まる。助けを呼ぶメリッサ。コンボイは、周囲にE.D.C.は居ないか警戒しつつ、ロボットモードに変形し、メリッサの元に向う。
 メリッサの脚に絡みついたのは、ただのイカだった。コンボイは、そのイカを追い払うが、それも束の間、メリッサは再びを助けを求める。今度はタコのようだ…。

 しかし、それはただのタコでは無かった。タコと難破船の残骸がパラサイテック融合した、レギオンの一体だったのだ。レギオンに絡まれたメリッサを救出すべく格闘するコンボイ。だが、その軟体に苦戦を強いられ叫び声をあげる。
 怒ったメリッサは、自分のナイフをレギオンに付き立てて、自力での脱出に成功し、ダメージを受けたコンボイにキスをする。
 キスによりパワーアップしたコンボイは、メリッサのサーフボードを借り受け、それを変形させたサーフブレードでレギオンの撃退に成功したのだった。

 御互いに感謝しあうコンボイとメリッサ。だが、すでに朝を迎え、今度はオートルーパーがやってきた。安堵する間もなく、逃走しなければならない2人。
 メリッサは、いつか太陽のもとで海に来れるのだろうかと問い、コンボイはその日はいつか必ず来ると約束するのだった。


■キスぷれ世界設定

 今回の新録ドラマは、コンボイとメリッサの日常の一コマが描かれ、残念ながらラジオドラマ本編において断片的に語られ、いまだ詳細が明らかになっていないバックストーリーに直結するような描写は無かったが、この商品の発売でいくつかの設定が明らかになった。

 まず、解説書の冒頭に記された舞台設定によれば、キスぷれ世界は、トランスフォーマー ザ・ムービーの直後から分岐した世界観を持つようだ。
 キスぷれ世界では、基本的に、ムービーと同様のユニクロン戦争を経た後、同時期に起こった「ある事件」(としか語られていない)により、人類はトランスフォーマーを敵視し地球上から一掃したという。また、パッケージの記載によれば、地球上にはエネルゴンフィールドが張り巡らされ、トランスフォーマーの活動は制限されているようだ。
 そして、2006年に謎のトランスフォーマー集団レギオンが襲来し、その対処の為に人造トランスフォーマーのオートルーパー部隊が結成されたという。

 レギオンが何者なのかは不明瞭なままだが、地球上の物体とパラサイテック融合なるプロセスを経て活動している事がCDドラマで語られている。また、付属のキャラクターカードによれば、コンボイ自身も地球製のボディとパラサイテック融合を果たしたとされているが、そのパラサイテック融合とは具体的にどういった状態を指すのかは全く明らかにされていない。

 基本設定のいくつかが明らかになったとは言うものの、ラジオドラマで存在がほのめかされた「コンボイ移送作戦」とそれにまつわるシャオシャオの去就やレジスタンスの概要、メリッサの過去等、まだまだ語られるべき設定が明らかにされていない感があり、今後、更なる展開が待たれる。

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