リボルテック No.19 コンボイ


 海洋堂が2006年からリリースしている「リボルテック」シリーズは、統一価格、共通ジョイントを使用したコレクタブル・フィギュアシリーズとして展開されている。そのラインナップのひとつとして、「No.19コンボイ」が2007年1月15日に発売された。



 このコンボイの原型は、本来はブラインドパッケージのトレーディングフィギュア商品として製作されたもので、当初の予定では300〜500円程度の価格帯での発売が予定されていたようだ。可動部分の仕様も、関節部分を斜めにカットした断面に軸を通したいわゆる「山口式可動」モデルとして製作されており、このトレーディングフィギュア版の原型写真は、ホビー情報誌「フィギュア王」No.82号(2004年10月25日発売)に「山口式可動トランスフォーマー」として掲載されている。同記事では、メガトロンとグランドコンボイの原型写真も掲載されていた。
 この山口式可動トランスフォーマーは、結局続報が無いままお蔵入りになっていたが、今回ようやくリボルテックシリーズとして、関節部分をシリーズ共通のリボルバージョイント仕様に換装して陽の目を見る事となった。リボルテック版コンボイは、当初の製品サイズよりも大きくなっているが、フィギュアの原型は製品よりも大きいサイズで製作される事が多いので、こうした流用が可能だったのだろう。リボルテック版では全高が約12センチとなっている。

 アニメ版や歴代玩具版とは異なるディテールで造型されたこのコンボイは、海外のコミックシリーズで描かれたイラストを元に製作されたと明言されている。つまり、ドリームウェーブ社刊の「トランスフォーマー・ジェネレーションワン」でパット・リーが描いた一連のアートを参考にしたものと思われ、実際、パット・リーの作風を色濃く反映した造型となっている。

 関節部分は、頭部、首、胴体、ヒジ、腰、ヒザ、足首にシリーズ共通のリボルバージョイントが内蔵。また、肩は付け根が回転する他に、二の腕の付け根は三角形にカットされた山口式可動が取り入れられている。
 ボーナスパーツとして、オプションハンド3種とレーザーライフル、マトリクスが付属。レーザーライフルはグリップの付け根に可動部分があり、ポージングによって干渉する銃の向きを調整する事ができる。

 プロポーションのバランスとしては、頭部が極端に小さい印象があるが、製品に封入の注意書きによれば、PVC化の段階での縮小率が大きく、原型時のバランスよりも小さくなってしまったとの事。この縮小によって、本来、全商品共通で使用する筈のジョイントがコンボイの頭部だけはピンを短くカットする事になったという。ヒジの部分にはジョイントのピンが大きく突き出しているが、これは無加工でジョイントを共用するというコンセプトを忠実に履行した為と思われる。

 カラーリングは、全身、パール調のメタリックカラーでまとめられており、ロボットとしての質感を表現している一方で、レーザーライフルはつや消し塗装、胸部の窓はグラデーション塗装が施される等、緩急の利いた仕上がりとなっている。通常、他の製品では太股と同色で表現される事が多い腰パーツがなぜかガンメタ塗装になっているのには、やや違和感を感じる。




付属品

メガSCFとの比較


 2002年から2003年にかけてタカラから発売された「MEGA SCF」シリーズは、統一サイズのPVC製フィギュア商品で、ナイロン製のジョイントによる関節可動や、サイズ、価格帯等、リボルテックと共通点が多い。
 実際に比較してみると、アニメデザインを忠実にトレースしようとした MEGA SCF版と、フィギュア的なアレンジを大胆に取り入れたリボルテック版では、その造形的コンセプトが全く異なる事が判る。

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