パッケージ

CYCLONUS


(サイクロナス)


 アメリカでは、2008年12月頃から発売された、デラックスクラス・アソートwave4から登場した商品のひとつ。

 サイクロナスは、1986年に発売されたG1キャラクターだが、今回は、1987年に海外で発売された仕様変更バージョンである、ターゲットマスター版に準じて、銃に変形するミニフィギュア「ナイトスティック」を含めてリメイクされている。

 日本では、2009年1月に変形!ヘンケイ!トランスフォーマー「D-07 サイクロナス」として、一部カラーリングを変更し発売された。


極超音速宇宙戦闘機モード

ロボットモード


 サイクロナスは、1986年の映画「トランスフォーマー・ザ・ムービー」から登場した、SF的デザインの戦闘機に変形するディセプティコン。このアニメ版映画に登場する新キャラクターは多くが玩具先行では無く、海外側がアニメ用にデザインしたキャラクター設定を元に、玩具を製作するという体制となった。これらのキャラクターデザインは、変形玩具としての整合性を考慮されておらず、実際に発売された玩具は、かろうじてアニメデザインの意匠を踏襲しているものの、ロボットモードのスタイルが破綻しているものも多く、サイクロナスもそうした不満点を抱えるアイテムのひとつだった。
 今回のユニバース版では、ロボットモード、ビークルモードともにアニメのイメージに近いリメイクとなっている。

ビークルモード

 G1版と同じく前進翼のSFジェットで、パッケージの記載では「ハイパーソニック・スターファイター(極超音速宇宙戦闘機)」とされている。
 変形の都合上、機体後部が脚部や肩パーツの集合体であるため、G1版のような滑らかな面にはなっていないが、全体的にはアニメのデザインに近いシルエットになっている。また、機首の伸縮式の先端は、G1版玩具には無かった要素であり、アニメ設定画で印象的だった部分を再現したものとなっている。
 ギミックとしては、着陸脚を3箇所から出す事ができる。機体上面には銃を取り付ける事が可能。

変形

 基本的には、ロボットモードを基準としてデザインされたパーツをバラバラにして、ビークルモードのシルエットに再配置するという感じの変形パターンで、腕になる主翼部分や、前後に分割された脚部が、可動アームでビークル時の位置に収まる。G1玩具では背中に折り畳まれるだけだった機首パーツが胴体内部に収納される点は高ポイントだが、その影響かビークル時の機体の厚みがやや気になる。

ロボットモード

 多少スレンダーな印象があるが、全体的にアニメの設定画に近い雰囲気。各部にモールドが増やされているが、基本的にはアニメ版と同様のパーツ構成、形状になっている。主翼の折り畳み方がアニメ通りになっており、機首の収納と合わせて、背面のシルエットもアニメに準拠したものとなっている。
 関節可動部分は、TFでの標準的なフリーポーザブル仕様に順ずる。ヒジの横ロール軸が無い以外は特に大きな不満は無い。
 手首は右手のみジョイント穴が開いており、銃モードのナイトスティックを持たせられる。

カラーリング

 全身が、パープルとシルバー、グレーで色分けされ、メタリックレッドやシルバーで部分的に彩色が加えられている。基本的には、アニメの淡い配色では無く、G1版玩具に近い濃いパープルになっている。シルバーの成型色はやや安っぽく、顔面等、多少雰囲気を損ねている感がある。また、肩がシルバーなのは、G1版の玩具やアニメとも異なるユニバース版独自の配色で、違和感を感じる向きもあるだろう。ビークルモードの風防とロボットの眼はクリアレッド成型で、眼は採光ギミックあり。
 ロボットモードの胸部中央には、シルバーでディセプティコンのエンブレムがプリントされている。
 



うしろ

NIGHTSTICK
(ナイトスティック)


レーザーキャノンモード

ロボットモード


 1987年に展開された「ターゲットマスター」シリーズは、通常のトランスフォーマーと銃に変形するパートナーのミニフィギュアを同梱したサブカテゴリ商品だった。通常タイプのトランスフォーマーに銃になるパートナーが付属するという商品フォーマットを生かして、新規のキャラクターに加え、1986年に発売された通常タイプのトランスフォーマーに新たにミニフィギュアを付属した仕様変更商品が5種類存在し、サイクロナスもそのラインナップのひとつだった。
 今回のユニバース版に付属する「ナイトスティック」は、そのターゲットマスター版サイクロナスに付属するパートナーのリメイク。ただし、形状はG1玩具版とは全く異なる(後述)。

 なお、今回の製品では、パッケージ等に一切「ターゲットマスター」という言葉は使われておらず、そればかりかキャラクター設定文においても、ナイトスティック及び、武器に関する記述が一切無い。かろうじて、製品写真のキャプションに、ナイトスティックの銃モードが「レーザーキャノン」である事が記載されているだけである。

構造

 1987年当時の製品は、わずか2パーツで構成され、胴体を折り曲げるだけの変形で、ロボット形態時には関節も一切動かない仕様だったが、今回のリメイク版では10箇所の可動部分があり、変形には不要な両肩、両肘にも可動部分が設けられるという凝ったものとなった。銃モードでは、銃身が過去製品よりもかなり大きくなっており、ロボットモードでは背中に折り畳まれるようになっている。サイクロナスにはG1版玩具のように、ジョイント軸を手首に差し込んで持たせるようになっている。
 カラーリングは、サイクロナス本体と同色のパープルとグレーで成型され、顔面はシルバー、眼は赤で塗り分けられている。

追加ギミック

 説明書等には一切記載が無いものの、銃モードの後端にある突起を、サイクロナスの手首を収納したジェットノズルの穴に差し込むと、日本版アニメや漫画で描かれた、腕に直接合体するターゲットマスターを再現する事ができる。しかし、パーツがわずかに干渉する為、しっかりとはめ込む事はできない。
 日本版設定を意識した追加ギミックだが、実際には当時の日本展開では、サイクロナスはターゲットマスターとして登場する事は無かった為、IF的な要素と言えるだろう。


うしろ



後端の突起


ターゲット・オン!』(声:西村知道)

G1製品との比較


G1サイクロナスとの比較


ターゲットマスター比較
左から、フレイカス、G1ナイトスティック、ユニバース・ナイトスティック、ヘイワイア

 1987年当時のターゲットマスター・ミニフィギュアには、銃モードの構造に数種のパターンがあるが、今回の製品の銃モードは、ナイトスティックでは無く、スカージのパートナーである「フレイカス」と似た形状。海外版のアニメやコミックでは、ナイトスティックとフレイカスは逆のデザインに入れ替わって設定されており、作品準拠とするならば、これも間違いとは言えない。
 ただし、今回のユニバース版ナイトスティックのロボットモードは、そのどちらとも全く似ておらず、むしろオートボット側の同種製品であるターゲットマスター版「ブラー」に付属の「ヘイワイア」に近いように思われる。

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